監修:田中 みどり(遺品整理士 上級認定)
遺品整理士歴12年/500件以上の現場を担当/一般社団法人 遺品整理士認定協会 認定講師

ゴミが天井近くまで積み上がった「ゴミ屋敷」の片付けは、通常の遺品整理・不用品回収とは費用の桁が変わります。この記事では、業界大手の公表データをもとに、ゴミ屋敷片付けの料金相場を間取り別・状況レベル別に整理し、費用が高くなる要因、抑えるための現実的な進め方をまとめました。近隣に知られたくない、家族に相談できない、というお悩みへの配慮も含めて解説します。

6〜30万円
1K・1Rの片付け費用相場
30〜100万円
2LDKクラスの相場
1.5〜3
通常の遺品整理費用との差

出典:業界大手(ゴミ屋敷片付け七福神、遺品整理110番 ほか)の公式サイト公表料金を編集部にて集計(2026年8月時点)

ゴミ屋敷片付けの費用が高くなる理由

同じ2LDKでも、通常の遺品整理なら15万円前後で終わる一方、ゴミ屋敷状態だと40〜80万円かかることが珍しくありません。この差はどこから来るのでしょうか。

主な要因は次の5つです。

  • 作業員の人数と時間が大幅に増える(通常の1.5〜3倍)
  • 廃棄物の量が多く、処分費(重量課金)が跳ね上がる
  • 害虫・害獣の駆除費用が追加される
  • 体液・腐敗物・悪臭の除去(特殊清掃)が必要になる
  • 床・壁・畳の張り替え(原状回復工事)が発生することもある
背景

環境省の「一般廃棄物処理実態調査」によれば、家庭ごみの処分単価は自治体によって1kgあたり15〜60円と地域差があります。ゴミ屋敷では処分すべき廃棄物の重量が通常の家1軒の数倍〜十数倍に達することもあり、処分費だけで数十万円に及ぶケースもあります。

間取り別の料金相場【1K〜4LDK】

ゴミ屋敷片付けの料金は、間取りと「どの程度ゴミが積み上がっているか」の状況レベルによって大きく変わります。まずは間取り別の基本相場です。

間取り 作業員数 作業時間 料金相場
1R・1K2〜4名4〜8時間60,000〜300,000円
1DK・1LDK3〜5名6〜10時間100,000〜500,000円
2DK・2LDK4〜6名1〜2日200,000〜800,000円
3DK・3LDK5〜8名1〜3日350,000〜1,200,000円
4LDK以上6〜10名2〜5日500,000〜2,000,000円

出典:業界大手(ゴミ屋敷片付け七福神、遺品整理110番、遺品の整理屋さん ほか)の公式サイト公表料金を編集部にて集計(2026年8月時点)

幅がかなり広いのは、次章の「状況レベル」による追加費用が大きく効いてくるためです。

状況レベル別の追加費用

業界では、ゴミの積み上がり具合を大まかに5段階で評価するのが一般的です。段階が上がるごとに、間取り別の基本料金に対して追加費用が加算されていきます。

レベル 状況の目安 基本料金への加算
レベル1床の一部にゴミが散らばる(生活可能)加算なし〜1割
レベル2床の半分以上がゴミで埋まる1〜2割増
レベル3床が見えない・膝下までゴミが積もる2〜4割増
レベル4腰〜胸の高さまでゴミが堆積4〜7割増
レベル5天井近くまでゴミ・害虫・悪臭あり7割〜2倍以上

「うちはどのレベルか」を写真で送るだけでも、業者は概算を出してくれます。訪問見積もり前の目安として活用できます。

オプション費用の目安

基本料金に加えて、以下のオプションが必要になることがあります。総額の見通しを立てるうえで重要です。

オプション 費用目安 必要になるケース
特殊清掃(体液・腐敗物)50,000〜300,000円孤独死・長期放置
害虫・害獣駆除20,000〜100,000円ハエ・ゴキブリ・ネズミ大量発生
消臭・オゾン脱臭30,000〜150,000円臭気が壁・床に染み付き
床・畳の張替え30,000〜200,000円/室汚損が壁材まで到達
壁紙張替え1,000〜1,500円/㎡臭気やヤニで変色
家電リサイクル料金1台3,000〜6,000円冷蔵庫・洗濯機・テレビ・エアコン処分
供養(遺品・仏壇)10,000〜50,000円親族の遺品・仏具処分時
クレーン・トラック増車30,000〜100,000円/回階段搬出不可・大量搬出

特に特殊清掃と害虫駆除は、事後に「実は必要でした」と請求されるトラブルが多い領域です。見積もり時点で必要かどうかを確認し、書面に含めてもらいましょう。

費用を抑える5つの現実的な方法

方法①:3社以上から相見積もりを取る

ゴミ屋敷案件は業者ごとに料金差が大きく、同じ2LDKでも20〜50万円の差が出ることも珍しくありません。写真を送るだけで概算を出してくれる業者も多いので、訪問前に3社以上に打診しましょう。

方法②:買取のある業者を選ぶ

ゴミ屋敷でも、家電や貴金属、ブランド品など買取可能な品が混じっていることが多いです。買取+処分をワンストップで対応する業者を選ぶと、処分費と相殺できます。

方法③:自分で処分できるものは事前に処分する

体力的に可能な範囲で、明らかなゴミ(ペットボトル、空き缶、雑誌など)だけでも事前に処分しておくと、業者の作業時間が短くなり、数万円単位の節約になります。無理な場合は「ここだけは触りたくない」を業者に伝えれば、そこから始めてくれます。

方法④:繁忙期を避ける

ゴミ屋敷片付けも遺品整理と同じく、3月〜5月と9月〜11月は繁忙期で料金が上がりやすい傾向があります。緊急でなければ、1月・6月・7月に依頼するのがおすすめです。

方法⑤:分割払い・後払いに対応する業者を選ぶ

高額になるため、クレジットカード分割払い、後払い、ローンに対応している業者を選ぶと、資金繰りの負担が軽くなります。事前に支払い方法を確認しましょう。

業者選びの4つのチェックポイント

ゴミ屋敷片付けは高額なぶん、悪質な業者に当たると被害も大きくなります。次の4点は必ず確認してください。

  • 一般廃棄物収集運搬業の許可番号を公式サイトに明記している
  • 訪問見積もり無料で、書面での見積書を発行してくれる
  • 特殊清掃・害虫駆除などオプションの必要性を事前に説明してくれる
  • プライバシー厳守(無地トラック・作業員の私服対応など)を明記している

ゴミ屋敷対応に強い専門業者のなかでも、実績・対応エリア・オプション対応の幅が広い業者を比較ランキングで整理しています。まずは無料見積もりで、ご自宅の状況にあわせた金額を確認してみてください。

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依頼から作業完了までの流れ

初めての方向けに、一般的な流れをご紹介します。緊急対応が必要な場合を除き、通常は問い合わせから作業完了まで1〜3週間程度です。

  1. 電話・メール・LINEで問い合わせ(写真送付で概算がわかる業者も)
  2. 訪問見積もり(無料・所要30〜60分)
  3. 書面で見積書を受け取り、2〜3社を比較
  4. 契約(クーリング・オフ制度の説明を必ず確認)
  5. 作業当日(1R〜1LDKで1日、2LDK以上で数日)
  6. 完了確認・支払い・領収書受取
  7. 必要に応じて特殊清掃・原状回復工事(別日程になることも)

近隣に知られたくない場合の配慮

ゴミ屋敷片付けの依頼をためらう最大の理由は「近隣に知られたくない」というお悩みです。多くの専門業者は、この点に配慮したサービスを提供しています。

  • 無地・社名なしのトラックで作業
  • 作業員は私服または無地の作業着で対応
  • 近隣への挨拶回りを省略またはこちらで対応する選択が可能
  • 作業時間帯を早朝・深夜に調整(追加料金の場合あり)

問い合わせ時に「近隣に知られたくない」と明確に伝えることで、これらの配慮がスムーズに手配されます。恥ずかしがらず、率直に相談してください。

相談窓口

ゴミ屋敷は本人・ご家族の心身の状態が背景にあることも多く、片付けだけでは根本解決に至らないケースがあります。お住まいの自治体の福祉窓口、地域包括支援センター、精神保健福祉センターなどの公的相談機関にも並行して相談することで、片付け後の再発防止につながります。

よくある質問

写真だけで見積もりを出してもらえますか?
概算であれば可能です。ただし正確な料金は訪問見積もりでないと算出できません。搬出経路・ゴミの重量・臭気の程度・害虫の有無は、写真だけでは判断が難しいためです。まっとうな業者は必ず訪問見積もりを行います。
賃貸物件でも依頼できますか?大家さんに知られてしまいますか?
賃貸でも依頼可能です。大家さん・管理会社への通知は本人の許可なしには行いません。ただし、原状回復工事が必要なほどの汚損がある場合は、退去時に敷金からの差引や追加請求が発生する可能性があるため、事前に管理会社と相談することをおすすめします。
現金一括でしか払えないと言われました。分割はできませんか?
大手業者ではクレジットカード分割払い、後払い、ローンに対応するところが増えています。現金一括のみを強く要求する業者は、税務上の記録を残したくない可能性もあるため、他社も比較検討することをおすすめします。
貴重品や現金が出てきた場合はどうなりますか?
信頼できる業者は、作業前に「捜索リスト」を作成し、現金・通帳・貴金属・重要書類などが見つかり次第、依頼者に確認・報告する仕組みを持っています。契約書に「発見物の取り扱い」条項が明記されているかを必ず確認してください。
家族に知られずに片付けたいのですが可能ですか?
はい可能です。本人からの依頼であれば、家族への連絡は行いません。ただし、費用が高額になる場合の資金相談や、片付け後の生活支援など、家族の理解があった方が結果的に安心な面もあります。相談窓口を上手く使いながら、慎重に進めましょう。

まとめ:早期の相談が費用も精神的負担も軽くする

ゴミ屋敷片付けは、状況が進行するほど費用も精神的負担も大きくなります。「まだ大丈夫」と先送りするより、レベル2〜3のうちに相談する方が、費用は半額以下で済むことも珍しくありません。

また、片付け業者は日々多くのゴミ屋敷案件を扱っているプロです。「恥ずかしい状態」と感じても、業者にとっては珍しいことではありません。プライバシーへの配慮も進んでいます。

まずは写真を送るだけの概算相談から始めて、複数社の見積もりを比較してみてください。相見積もりを取るだけで、20〜50万円の節約につながることもあります。

ゴミ屋敷・特殊清掃に対応する専門業者を、料金・対応エリア・オプション対応で比較してご紹介しています。プライバシーに配慮した業者ばかりですので、安心して見積もりを取ってみてください。

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※料金相場データは、業界大手(ゴミ屋敷片付け七福神、遺品整理110番、遺品の整理屋さん、みんなの遺品整理 ほか)の公式サイト公表料金、環境省「一般廃棄物処理実態調査」、および一般財団法人 家電製品協会「家電リサイクル料金一覧表」をもとに編集部が集計したものです(2026年8月時点)。状況・地域・個別条件により実際の料金は変動します。
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